音楽における縦糸と横糸。
言わずもがなリズムと旋律。
この両者をどう調和させるかが、
多分最も難しい。
基本となるのはやはり縦糸で、
横糸を貼る際の縦糸の揺らぎ、
つまり自由度の様なものは、
作曲家によって、
相当違うものと思われる。
縦糸と横糸が、
がっちりスクラムを組んだBach。
それに対してMozartの縦糸は、
横糸の自由度を許容するべく、
遊びの幅が相当広い。
謂わば、Bachにはない遊びこそが、
Mozartたる所以。
Beethovenは難しい。
Bachに負けず劣らず、
固く杭打たれた縦糸の中に、
浪漫を表現することが要求される。