今、猛烈に音にしてみたい曲。
ドビュッシーの「アナカプリの丘」。
在欧中何度も弾いた曲。
楽譜に残された、
乱雑な書き込みを眺めていると、
暗中模索の果てに、
縺れて放り出された、
毛糸玉に見えてくる。
あのころやりたかったことが、
今なら、少しは上手く、
音にできるのではないかと、
そんな気がして…。
行きたかったけど、
行けなかった所の一つカプリ島。
今でも心残り…
Debussyの描く、
アナカプリの丘から見下ろす海は、
空よりも明るく青い。
そこには草木を揺らす憧れの風が、
今も心地良く吹いている。