レパートリーの一つである、
この曲の冒頭2小節に、
ずっとある疑問を持っています。
今日では一般に、
楽譜通りに演奏されている、
この、2小節に及ぶ三つの音は、
本当に楽譜通りに演奏されるべく、
そう記譜されたのだろうか…?
とりわけオリジナルの楽器、
ピアノで弾く場合、
この部分に作曲者が意図したことは、
楽譜の表面に現れていることとは、
少し違うのではないかと、
私は、やはりそう思うのです。
実際、ラフマニノフ自身の演奏、
…と言われている録音では、
彼は、楽譜通りに演奏しておらず、
また、少し後の時代を生き、
巨匠の名を残したピアニストも、
同様の解釈で楽譜を書き替えて、
私は、これらの意見に賛同します。
つまり、この部分は、
先ずは楽譜通り弾くということが、
教育の柱であった時代に育った、
私たちが演奏することを前提とすると、
あることを書き加えたり、
また訂正をしなければならかった…、
そう思えるわけです。
これから、
再度ステージに乗せる予定のこの曲。
実はこれまで、慣例に倣って、
疑問を持ちながらも、
楽譜通りに演奏してきましたが、
敢えて楽譜を変えて演奏する理由に、
自分なりの裏付けが取れたので、
これからは、勇気を持って、
自分の解釈で演奏したいと思います。
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