ブラームス ワルツ Op.39 あれこれ その2

ブラームスはこの連弾作品集を

後に、ソロ曲に編曲し直しています。

連弾版に要求される技術レベルは、

中級程度でそう難しくもないですが、

これが、ソロ版になると一気加勢。

上級どころか、

中には特級レヴェルのものも。

 

この作曲家に特有の、

渋い超絶技巧が要求されるわけですが、

同じ超絶技巧でも、

ショパン・リストに比して、

ドイツ作曲家のそれは、

非常に弾きにくい。

 

さて、調性に話を戻すと、

連弾版に於いて、

調号を持たない曲(ハ長調・イ短調)が、

二曲含まれることは、

既に述べた通りですが、

ソロ版では、その二曲を含め、

13~16までの四曲を、

短二度下げて調性変更をしています。

 

この調整変更の理由、

13&14と15&16では、

若干違うのではないかと思うのですが、

13&14の理由については、一目瞭然。

 

おそらく、ブラームスとしては、

連弾版の調性で書きたかった…、

音楽表現の役割を担う調性よりも、

ピアニストが、

技術的に余裕を持てることを、

迷った挙句、優先させたのでしょう。

 

因みに、

この二曲を連弾版の調性で練習すると、

非常に良い技術訓練になります(^^;)。

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