ブラームスはこの連弾作品集を
後に、ソロ曲に編曲し直しています。
連弾版に要求される技術レベルは、
中級程度でそう難しくもないですが、
これが、ソロ版になると一気加勢。
上級どころか、
中には特級レヴェルのものも。
この作曲家に特有の、
渋い超絶技巧が要求されるわけですが、
同じ超絶技巧でも、
ショパン・リストに比して、
ドイツ作曲家のそれは、
非常に弾きにくい。
さて、調性に話を戻すと、
連弾版に於いて、
調号を持たない曲(ハ長調・イ短調)が、
二曲含まれることは、
既に述べた通りですが、
ソロ版では、その二曲を含め、
13~16までの四曲を、
短二度下げて調性変更をしています。
この調整変更の理由、
13&14と15&16では、
若干違うのではないかと思うのですが、
13&14の理由については、一目瞭然。
おそらく、ブラームスとしては、
連弾版の調性で書きたかった…、
音楽表現の役割を担う調性よりも、
ピアニストが、
技術的に余裕を持てることを、
迷った挙句、優先させたのでしょう。
因みに、
この二曲を連弾版の調性で練習すると、
非常に良い技術訓練になります(^^;)。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー